ゼーフェルトのNHは、運ゲー大会に。2019/03/03 13:15

 2年に一度のノルディック・スキージャンプ世界選手権、男子ノーマルヒルはオーストリアのゼーフェルトで開催。
 降雪や風のコンディションが目まぐるしく変わり、競技順で条件が全く違うという不公平な状況下、2本目に好条件下で跳べたポーランドのクバツキ選手が通常あり得ない26人を抜いて奇跡の優勝。

 1本目に決して条件の良くない状況下、更に低いゲートで101mを跳んでトップに立った小林陵侑選手が、2本目は滑走レールへの積雪による飛出し速度の大幅な低下、好条件で跳んだ選手と同じ高さのゲートによるスタートを余儀なくされ、まさかの14位に沈んだ。
 そもそも運営側がブロワーによる滑走路クリーニングを実施しないなど、小林選手に対する意図的とも思われる対応もあった気がする。
 飛出し速度は他の選手と比べても極端に遅く、これでは無理だ。

 競技である以上、野外のスポーツとは言え、ある程度のイコール・コンディションで臨めるような運営をするべきで、各国のコーチも跳び直しを主張していたのではないか。1本目の上位でトップ10に残った選手が殆どいないということは、ゲームの運営に相当問題のある試合だったと思う。陵侑選手も残念だったと思う。

 ウインド・ゲートファクターによるポイント調整は、風による有利不利をある程度緩和して、跳び直しをしないで済むように考えられたが、これもK点付近の最も飛距離に関係する風のファクターが加重平均的に評価されていないなど未完成であるうえ、降雪による滑走路のコンディション悪化は全く考慮されていないなど、これがあるから再競技までする必要なしとは言い切れない仕組みだと思う。

 こんなことが続くようだと、スキージャンプは単なる「運ゲー」となり、競技として終わる。

 勝利もなにも単なる運となると、競技の価値が無くなってしまうことに思いを致すべき。
 更に日本チームも英語や独語をちゃんと話して、ジュリーや運営に対して、論理的に強く抗議できる人材がいないのではないか。実績のある選手をHCにするだけではなく、交渉のアシストができるスタッフも充実させるべきだと思う。この試合は、今の枠組みならば、再競技が適当だった。

【最近の読書等の覚え】
(映画)
・「ねことじいちゃん」
 世界ねこ歩きの岩合さんの初監督作品。猫の行動と人行動がリンクしていて微笑。やたらとネコのハイスピード・モーションのシーンが出てくる。
・「ノーザン・ソウル」
 ブレイディみか子のブログで知り、鑑賞。パワフルでやばい。
(書籍)
・岸政彦著「断片的なものの社会学」
 信田さよ子との対談で著者に興味をもったので借りてみた本。社会学って何なんだろう。
 著者はNHKの猫メンタリー「猫も杓子も」に数日前に出演していた。
・「野鳥撮影 基本&応用 ハンドブック」

井の頭公園のカワセミ
 先週日曜に井の頭公園に現れた翡翠の撮影に成功。
 枝にとまって水面の魚を狙っているところ(ハンドブックのお蔭か?)。

単身赴任中の友と再会する。2019/03/04 00:23

 昨年中国地方に単身赴任となった大学からの友が、東京に帰ってきたので、久しぶりに夫婦同士で昼食を共にする。

 50を過ぎての単身生活で健康状態が気になっていたが、立派なもので完全自炊で規則正しく生活している姿に驚いた。少し体重は落ちていた感じだが、若返った感じだった。
 炊事・洗濯・掃除、ワイシャツのアイロンがけも自分でやっているというから、凄い。毎日奥さんにメールで送っていた彼が作った料理の写真を見せてもらい、その丁寧さに、呆れる位だった。

 イタリアンの店で安いワインとピザなどを摘まみながら、ゆったりこちらの近況、最近三鷹で職を得たという彼の奥さんの話なんかも伺いながら、旧交を温めることができ、楽しかった。

 食後は、太宰治の記念サロン、玉川上水の入水現場を案内したり、山本有三記念館でボランティアから解説を聞いたりしたのち、井の頭公園界隈を散策して散会。

 山本有三記念館の解説は、当用漢字の選定・画定や少年少女に向けた読書活動への援助、中道精神で進めた政治活動など興味深いものが多くあり、「再発見」だった。

 弁天池では、いつも観察しているカイツブリも元気にしており、双眼鏡で観察してもらったりして、近況報告も兼ねる。

 花粉が舞い上がっている日にあれだけ野外を歩かせるなんて、申し訳なかった(結構疲れた)。

 右上:メジロのつがい(嘴が少し)、時計回りにシジュウカラ、椿にメジロ、シジュウカラ

もっと話題になって良いこと。2019/03/11 23:24

 ノルディックスキージャンプのワールドカップのシリーズチャンピオンをオスロ大会で、入賞ポイントを加算して、小林陵侑選手が確定させた。
 WC総合優勝は、船木和喜選手、葛西紀明選手といった強かった歴代日本のエース達の誰もなしえなかった快挙だ。
 世界選手権こそ運に見放されて個人メダルには手が届かなかったが、伝統のジャンプ週間は完全優勝、WCも今季11勝しており、今シーズンはまさに小林選手の為にあったといえる。
 今シーズンNHKは女子の放映権は全試合獲っているのに、男子WCの放映権を獲っておらず、高梨沙羅選手が欧州勢の台頭で苦悩する中、マレン・ルンビュ選手とドイツ勢が圧勝する姿ばかりを律儀に放送。
 世界選手権は流石に男女ともに放送したが、前述のとおり、小林選手の個人メダルの獲得はできなかったし、WCにおける彼の歴史的といってもよい活躍の姿が殆ど放送できていないという何とも間の悪い話になっている(Jスポーツも同じらしい)。

 小林選手の活躍はもっと話題になってよいのに、これまでの国内の取り扱いは不当に少なかったように思える。

 チャンピオン確定で、今度は決まり切ったインタビューとか色々企画するのだろうけど、次の冬季五輪の前は、逆にソチ五輪の前の高梨選手の時のように事前に取材で盛り上げすぎて、選手の重荷を課す様なことになったりしてしまうんだろうな、とか早くも心配になる。

 日本のスポーツ放送は、視聴率しか気にせず、実績のある勝ち馬に乗ろうとしている限り、こういう快挙は逃し続けるのだろう。
 そういえば、某民放の女子卓球日本選手権の報道では、優勝した石川佳純選手ではなく、前評判の高かった準優勝の選手(伊藤美馬選手)の方を重点的に扱っていた。勝った選手をちゃんと紹介しないと・・・。

【最近の読書等の覚え】
・角幡唯介著「空白の五マイル チベット世界最大のツアンポー峡谷に挑む」

 今日で震災8年、改めて追悼、弱者が切り捨てられていく風潮は、以前よりも酷くなっている感、これでいいのだろうか。