読図の工夫。2017/10/15 17:37

 山歩きを本格的に始めたのは、1998年に出向先の同僚と行った両神山で、19年も前になる。

 当時は、高校の時に少しやったオリエンテーリングの知識でシルバのコンパスの基本的な使い方ぐらいを知っていたぐらいで、実践的な地図読みなどは、全く知らなかった。

 同僚から、国土地理院の25千図の折り方から、教えてもらっていたレベルだが、山行前に地図からシミュレーションなどをしながら、怪我やトラブルに遭いながらも、道迷いすることなく、何とか生還してきているというのが、今の自分。

 相変わらず、読図のレベルは、上がっているような気はしないが、余りお金を掛けずに自分なりに工夫してきたことを備忘として、記録しておく(誰の参考にもならんだろうけど)。

 ポイントは、地形は25千図とコンパスで読むことを原則とし、万が一のロストに備えて、GPSロガーにより、現在位置を地図上にプロットする仕組を確保すること、だ。

1.地図は国土地理院の25千図と登山地図を併用。
 登山の際は、読図という観点で、情報量の多い国土地理院の25千分の1の地形図をメインに利用し、水場やコースタイム、危険個所等のガイド情報が豊富で、山座同定、二点交差で現在位置を知るのに便利な縮尺の大きい50千分の1の登山地図を補助的に利用するスタイルで臨んでいる。

 国土地理院の25千分の1の地形図は、昔は本屋等に行って、該当山域の地図を複数購入して集成したりする必要がある場合があったが、最近はインターネットで任意の範囲でダウンロードできるようになったので、広い山域を跨る計画でない限りは、大抵は一枚の出力範囲で済むケースが多くなり、とても楽になった(核心部だけ25千図を購入し、他は50千図で済ます時もある)。

購入サイトはこちら、 http://net.jmc.or.jp/map_aerialphotograph_map.html

 ただし、地図は、家庭のインクジェットプリンターで印刷すると、水に弱いので、百均で買ったチャック付ポリ袋で確り養生して使用している。

2.25千図には、磁北線と一分線を引いておく
 コンパスを利用しやすいよう磁北線を引くのは当然として、3.のGPSロガーが利用しやすいように一分線も予め引いておく。

3.安心装備として、安価で軽量なGPSロガー、マップポインターを携行
 GPSロガーの緯度経度データとマップポインターがあれば、現在位置を地図上に正確にプロットが可能なので、安心装備として携行(通常はほとんど使うことなし)。GPSロガーは、当初はHOLUX製のM-241を使用していたが、最近は小型軽量で少し精度が高くなったCANMORE製のGP102を使用中。

 地図が入っているガーミンは、確かに安心だが、バッテリーを気にしていては、肝心の読図ができないし、なんだか面白くない。

 また、GPSロガーの高度データは、気圧を利用した高度計よりは、ずれが少ないので、高度データを参考に地図読みすることもできる。

【マップポインターの使用法】写真の例(乾徳山の分岐点で実験)

 GPSロガーの緯度経度データ(東経138度43分06秒、北緯35度48分45秒)を読み取り、緯度経度の一分線から何秒のポイントかをマップポインターで合わせ、現在地をプロットする。

 写真の例では、東経側は6秒、北緯側は45秒にマップポインターの目盛りに合わせると、その交点が現在地。実際の分岐点と25m以内(地図だと1ミリ)で一致。

↓向かって奥が北、分岐点に合致。

4.時計は防水仕様で一応高度計付き
 読図の際に高度を参考にする場合もあるので、防水仕様の高度計付時計は携行。
 以前はBARIGO製を使っていたが、紛失されちゃったので、今はカシオ・プロトレックの廉価版を愛用中。

5.ポイントでは、デジカメ記録
 分岐点等のルート上のポイントでは、コンデジで付近の様子を撮影しておくことで、万が一ロストしたときに備える。特に下山の方向でも分岐点を撮影しておくと帰りに下山路の確認になるので、安心。
 更にGPSロガーの緯度経度情報も必要に応じて記録しておくこともある。

6.下山後は、GPSデータで遊ぶ(カシミール3D、写真データマージ)
 GPSロガーのログデータを写真とマージしたり、カシミール3Dなどに落として、ルート図や高低図などを作って、同行者に進呈したり、山行を分析するのも下山後の楽しみとしている。

【最近の読書の覚え】
・樋口明雄著「レスキュードッグ・ストーリーズ 南アルプス山岳救助隊K-9」
・中野剛志、中野信子、適菜収共著「脳・戦争・ナショナリズム 近代的人間観の超克」
 基本的人権は、国家により守られるという理解がないといけない。

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