多岐亡羊。2016/11/09 00:41

 先月は大変なこと、悲しいことが、たくさん在り過ぎて、リアルに疲弊しきった。

 その間も棒ノ嶺に登ったり、郷里に帰って庭の枝払いを頼んだり、スキージャンプのレジェンド葛西紀明の講演会を聴きに行ったりと、フィジカルに疲れることも多くて、さらに消耗した。

 11月に入って、少しだけ落ち着いた感じもあるが、山積した課題を年末にかけて、一つ一つこなしていかなければならない。

【読書等の覚え】
・笹本稜平著「大岩壁」2016.5刊
 8000mサミットの一つ、ナンガパルバットの冬季初登頂をテーマにしたフィクション。今年の2月に小説より早く冬季初登頂はシモーネ・モーロ達により現実に成し遂げられてしまった。ヒマラヤでも最も大規模な5000m近い大岩壁を登り切るなんて、ホントに凄い。冬季未登頂の8000m峰は、あとはK2残るのみだ。
・みうらじゅん監修「アレの名前大百科」
 疲れているときは、こういう脱力系を読む。扉の片方が開かないようにするアレは何という名前?とか。
・井手英策著「経済の時代の終焉」再読。

半日がかりの映画鑑賞。2016/11/23 23:04

 勤労感謝の日の今日は、気になっていたが見損なっていたドキュメンタリー映画「チリの闘い」3部作が、横浜シネマリンでアンコール上映されていたので、これを鑑賞。

 休憩込みで午後2時から7時までの5時間にわたる長丁場で、さすがに眼と腰に来たが、よくぞこのような映像を残してくれたものだと思う迫力のドキュメントだった。
 撮影者がクーデターの兵士に撃たれた瞬間まで残っている。

 このようなドキュメンタリーをみると、謀略と暴力で他国をコントロールしている大国には、現在も正義をかたる資格などないと改めて認識させられる。

 また、映画にはなかったが、民主的に選ばれたアジェンデ政権を武力で打倒したピノチェト軍事政権時代に貧富の格差がとてつもなく拡大した。
 シカゴボーイズが指導して「南米の優等生」と呼ばれたチリの経済状況は、実は虚像だったことも知っておきたい。

 映像は民衆のデモの映像ばかりで、また字幕も一昔前の活動家が使っていたような用語ばかりで、若い世代には、なにかの宗教のように映ったかもしれない。
 しかし、チリ国民のあの熱気には圧倒される。

【最近読んだ本等の覚え】
・松村嘉浩著「増補版なぜ今、私たちは、未来をこれほど不安に感じるのか-日本人が知らない本当の世界経済の授業」
 何でもかんでも年寄りのせいにするのはどうかとは思うが、どこからか奪ってくる経済の実体と歴史をわかりやすくまとめた佳作。分断より寛容のほうが大切だと思うが・・・。
・井手英策/ジーン・パーク編「財政赤字の国際比較」
・ブレイディみかこ著「ヨーロッパ・コーリング-地べたからのポリティカル・レポート」
 ギリシャ危機、スコットランド独立投票、ブレグジット問題の現地にいる人の肌触り感がとてもリアルで秀逸。
・乾ルカ著「向かい風で飛べ!」
 2人の少女スキージャンパーが主人公のフィクション。読後感良し。
・ドキュメンタリー映画”THE BEATLES EIGHT DAYS A WEEK”(ゴジラの劇場で鑑賞)
 涙ぐんでいるおじさんがいたリアル世代だろうなぁ。

 写真は、先週T氏と登った天子山塊北端の竜ヶ岳からみた富士山(パノラマ合成)。
 駿河湾から青木ヶ原樹海まで見えるもの凄い快晴。