最後の一機を見学する。2013/07/21 22:07

 零戦の設計者堀越二郎氏を主人公にしたスタジオジブリの新作が昨日公開された。
気球の撤収

 所沢航空発祥記念館では、彼の生誕110周年を記念した企画展「堀越二郎の生涯」と栄エンジンを搭載した現在飛行可能な世界唯一の零戦(五二型)の展示(米国から里帰り)があったので、多摩湖自転車道を辿って、クロスバイクで見学しに行く。

 幸い、大して暑くもなく、片道約20キロの道のりを、木陰の多い自転車道をのんびり進む。途中、熱気球の撤収をしている光景に出くわす。航空公園では気球の体験イベントもしているみたいだ。


 展示は、故堀越技師の直筆のメモや青写真など貴重なアーカイブ資料がふんだんに展示されたとても興味深い内容。設計者らしく、細やかで几帳面な文字が整然と並ぶ。

 大型スクリーンの映像作品では、戦後航空機技術が米国により凍結されていた時期の故堀越技師の不遇にいらだつ様子が、ご子息のインタビューで明らかにされていたのが印象深かった。

 零戦実機は、状態よくレストアされ、鋭角さはないがとても美しい機体。やはり、本物の迫力はすごい。これが実際に飛んでいる映像も放映されており、運動性能の高い零戦の美しい姿を確認することが出来た。

里帰りした零戦

引き込み脚のメカ
引き込み足のメカ

 展示をみて、誇り高い日本人の矜持を見る思いがしたが、国家主義に世論が傾く中で、若い人たちはどういう気持ちで、このような展示を見るのだろうか。

中島飛行機で生産された機体