気持ちはよくわかる。2011/12/05 23:48

 昨日までに前日本郵政社長にして元三井住友銀行頭取の西川善文氏著の「ザ・ラストバンカー」(西川善文回顧録)を読了。

 住友銀行時代の安宅産業処理を初めとして、彼が銀行マンとして取り組んできた不良債権処理、道半ばにして、手を引かざるを得なかった郵政民営化について、彼の考え、心情が吐露されている。

 彼を嫌う人が多いと聞くが、これまでの実績をみれば、非常に優れたバンカーで、信念の人。やっぱり凄い人、人の上に立つ人は違う。著作も正直面白かった。

 すべてが先送りだった金融業界の不良債権処理問題に現場で真正面から取り組んでいた頃の話は、鬼気迫るものがあり、バンカーとしての矜持、誇りが感じられた。

 一方で郵政民営化は、小泉政権が終わり、逆風になってからは、政治の泥にまみれて、うまくいかなかったことが、恨みがましくつづられていた。経済合理的で、効率的な組織運営を阻む政治圧力は、経営にとって、害にしかならない。大変だったろうと思う。

 完全民営化に向けた方法論は、間違っていないし、それなりに成果が上がっていたと思う。道半ばにして、辞めざるを得なかった挙句、竹中元大臣ともどもに悪者扱いされるのは、口惜しいだろう。その心うちに共感。

 巨鯨郵貯を金融界で普通に競争させるには、まず最初に分割、預入限度額の縮小等で、サイズダウンが前提だったと思う。 あのサイズのままで、一気に民営化するのは、相当な人物でも大変だったはずだ。